キャストを務めます、桜美林大学演劇ダンス専修二年の大塚遊馬と申します。稽古場レポートも二回目!
今回は活動の紹介…ではなく、いま私が感じることを率直にお伝えしたいと思っております。かなり内輪話かもしれません。それでもお読みいただければ幸いです。
稽古場の大塚。撮影:安藤保佳(制作)
先日、この舞台の宣伝文を考えていたときのことです。ああでもないこうでもないと候補を書き出してみると、ふと気になった一文がありました。
「今だからこそご覧いただきたい作品です」
今だからこそ、今だからこそ。
去年から、どれだけこの言葉を見たんだろう。もちろん、タイムリーゆえ今まさに観てほしいという作品は多々あると思います。今回の作品もそれは例外ではありません。
しかし私は、どうしてもこの言葉に悲しいものを感じてしまいます。不要不急ではない。大変な世の中でもやる意味がある。今こそ必要とされている。まるでそれは免罪符のようであり、この時代に演劇に取り組むことへの葛藤にも思えます。ただの勘ぐり、邪推に過ぎないのかもしれません。
しかし私個人としては、どうしても世の中への罪悪感から逃れられずにいます。
上野毛キャンパス内、読み合わせ中。
撮影:滝田礼那(制作)
私はこのカンパニーが大好きです。
活発な会議、妥協のない感染症対策、朝夕行われる報告会、対等かつ自由な創作。
全員が憲法というテーマに、真摯に向き合い取り組んでいます。創作に対しても、人に対しても誠実な方ばかりです。誰かが立ち止まったとき、絶対にそれを見過ごして先に行かない。そんな優しさがあります。私自身、何度もその優しさに救われました。
そしてなにより、メンバー誰もがこの時代と闘っています。
今、演劇をする。
その責任はあまりにも重いけれど、それでもどうにか皆で背負っていきます。もちろん、楽しむことも忘れずに。
あたらしい憲法のはなし3、今だからこそ、そしてどんな時代でもご覧いただきたい作品です。スタッフ、キャスト一同、劇場でお待ちしております。
大塚遊馬
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