座組のみなさん、こんばんは。
鈴鹿です。
6月の会議にて稽古場レポートの実施が制作部より提案され、滝田より「外への宣伝・広報よりも座組内での相互理解のためにやりたい」との説明があったとき、「相互理解は個々人がやればよいのでは......」と思ったのですが、いざはじまるとみんなの書き言葉にそれぞれの個性が存分にあらわれていて毎日楽しみに読んでいます。
なので、今回は純度100%、みんなに向けて、鈴鹿がこの創作を通して思っていることを書こうと思います。
鈴鹿通儀。撮影:安藤保佳(制作)
僕がこの企画に出演することが決まり、そのことを芝居の友人たちに話すと、大体が「ホェ〜〜学生とやるんだ」くらいの反応で、それらはおおむね好意的なものではありませんでした。必ずしもフレームやネームバリューで羨ませがらせたいわけではありませんし、たいへんわかる反応なので、だからこそ「やるからにはやるぞ」の思いで会議・稽古に臨み、今日まで励んできました。
7月下旬の本稽古開始時期の読み合わせの様子。
撮影:安藤保佳(制作)
昨日は初めて通しをしてみてたしかに色んなところがぎっこんばっこんしましたが、それでも、演大連だとか学生だとかを大きく超えて、ひとつの演劇としてとても面白いものが立ち上がろうとしていると鈴鹿は強く感じています。すごく楽しい。こんな時世に演劇に注力できる場があることを本当にありがたく思っています。
大道具発注打ち合わせの様子。
撮影:安藤保佳(制作)
ヤクルトの往年の名遊撃手・宮本慎也さんは引退の際、「プロ野球選手になってから野球を楽しいと思ったことは一度もなかった」と語り、野球文化と共に育ってきた鈴鹿は当時大変に痺れましたが、こと演劇にかぎれば楽しんでこそだと信じています。しんどいこともいっぱいあるけど、作品づくりをみんなが楽しめるとその楽しみのかけ算で創作は跳ね上がると信じています。その意味で、みんな心の中に思うことは様々あるだろうけれど、今回の座組は楽しみからこぼれ落ちる人がなるべく出ないように、少なくともその指針を強く打ち出してあつらえられているのがとてもよいところだと思っています。
舞台装置の実験をする演出部と美術部。
撮影:安藤保佳(制作)
みんなの人となりを知りたいのでよく話しかけていますが、一昨々日僕のずれた価値観が原因で仲間をひとり明確に傷つけてしまいました。本当に申し訳なく思っています。同時に、これはとても身勝手だけれど、本人がそれを僕に直接指摘してくれたことに本当に感謝しています。ああだこうだ言っていますが日々反省の毎日です。
8/24の稽古場。撮影:滝田礼那(制作)
演劇をある年数やるといやと言うほどわかりますが、同じ座組がひとりも欠けずに再結集するのは極めて困難です。千秋楽が終われば二度と会うことのない人もいると思います。というか、間違いなくいます。だけど「いつかどこかで会えるかも」という温度感を気に入っています。僕が言うのは大変におこがましいけれど、みんなが演劇をより好きになってくれると嬉しいなと思っています。僕は2番目のジムリーダーにすぎません。カスミのスターミーです。どの世界に進んでもこの先、四天王やチャンピオンがいます。いつか「鈴鹿のバブルこうせん、ぜんぜん大したことなかったわ」と思い出し笑いしてくれるとよいです。僕もまけじとポケモンマスター目指して頑張ります。小屋入りが迫り、各セクションいよいよたいへんだとは思いますが心とからだの安全第一、どうか千秋楽まで健やかに。引き続きよろしくお願いします。
鈴鹿通儀
Comments